鉄欠乏性貧血

● 鉄欠乏性貧血

WHOは21世紀に最も気をつけるべき疾患の第1番目に、癌や心臓疾患や脳血管障害ではなく、うつ病をあげています。
そして意外に知られていないことですが、10番目に「鉄欠乏性貧血」をあげています。

鉄欠乏性貧血はありふれた疾患ですし、命に関わることも余りない為、軽く考えられがちですが、場合によっては深刻な症状を呈することもあります。
しかも意外なほど正しく治療がなされていません。

● 鉄欠乏性貧血の症状

鉄欠乏性貧血は、動悸、だるさ、疲れ易さ、息切れ、集中力の低下、意欲の低下、頭痛、風邪をひきやくなる、手足の冷え、音に過敏になる、爪が弱くなる、喉の違和感、舌の違和感、等々・・・様々な症状を引き起こし、仕事や勉強の能率を低下させ、生活の質を低下させます。

妊娠中の鉄欠乏性貧血
妊娠中はお母さんの身体が貧血状態にあったとしても、赤ちゃんに優先的に鉄が供給されますので、お母さんの身体は更に鉄欠乏性貧血に傾きやすくなっています。
妊娠中は貧血を改善しておくことが必要です。

出産後の鉄欠乏性貧血
出産後は鉄欠乏性貧血が進行し、起き上がれない程だるくなることがあります。
そのため、育児がとても負担に感じられ、母子関係を悪化させることにもなります。
どうしてこんなにだるいのだろう・・・
子どもは可愛いはずなのにどうしてこんなに育児が億劫なのだろう・・・
と悩んでいる方の中には、原因は意外に単純で、鉄不足からきている場合があります。
鉄欠乏性貧血の治療で比較的容易に改善出来ますので、出来るだけ早く御相談下さい。

子どもの鉄欠乏性貧血
子どもに鉄が不足すると、知能の発達、身体の発育、情緒発達を阻害することがあります。
知能や言語、運動能力にも影響しますので、本来の能力を発揮できないまま成長するおそれがあり、発達障害と間違われることもあります。
鉄欠乏性貧血が原因で知能や言語、運動能力に障害が起こっている場合には、これを治療することで成長が改善されることがあります。

● 血液検査

貧血の検査にはモグロビン値の測定が一般的ですが、これだけでは貧血の検査としては充分ではありません。

鉄は体内で、フェリチン、ヘモジデリン、ミオグロビン、ヘモグロビン、血清鉄、等の形で存在しています。鉄の65%がヘモグロビンに結合していますが、ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っていますので、ヘモグロビンに優先的に鉄が供給されるようになっています。この為、鉄が不足するとフェリチン等の貯蔵鉄を下げてもヘモグロビンに鉄を供給し、ヘモグロビンは正常値、あるいはそれに近い値を保つようになっています。

ヘモグロビンが正常値であっても、フェリチン等の貯蔵鉄が低い場合には、臨床症状として貧血と似たような症状が現れてきます。

またヘモグロビンやフェリチンが正常値であっても、よく運動する人や、妊娠中、出産後、成長過程にある子どもさん等では、貧血と同じ症状が現れることがあります。

みゆきクリニックでは、希望される方には貧血の検査にヘモグロビンだけではなく、フェリチンの測定を行っています。

● 鉄欠乏性貧血の治療

毎日の生活の質を向上させ、育児を苦痛なものではなく楽しいものにし、仕事や勉強の能率を向上させる為にも、積極的に改善したい疾患です。

みゆきクリニックでは、信頼出来る医療用のヘム鉄を採用しています。
これは残念ながら健康保険の適応にはなりませんので、実費を御負担頂きます。

● 医療用ヘム鉄

鉄剤の多くは無機鉄ですので、非常に吸収が悪く、吐き気等の副作用も高率に出現します。また体内でフェントン反応を起こし、フリーラジカルを発生させる恐れがあります。

医療用ヘム鉄は、蛋白質に包まれており、吸収も良く、体内でフェントン反応を起こさず、安全に服用することが出来ます。

市販のヘム鉄の中に、ヘム鉄が全く含まれておらず、無機鉄しか入っていなかった、という報道がありました。大手のサプリメントメーカーのものでしたが、市販のヘム鉄の殆どが、ヘム鉄という名前で売られてはいますが、実際の中身は無機鉄が中心で、ヘム鉄はごく少量しか含まれていません。

みゆきクリニックでは、ヘム鉄だけの医療用のものをお勧めしています。